第86回CY法務セミナー(ウェビナー)「運送・物流業界の2024年問題と価格転嫁・時間短縮・効率性向上への対応に関する法的問題」(~荷主・親請・運送事業者のwin-winのコンプライアンスのためには~)
以下の第86回CY法務セミナー(ウェビナー)を開催しました。
セミナー内容
運送・物流業界の「2024年問題」について、何が問題なのか、荷主にとっての問題であるのか、公取委が公表した価格転嫁協議に応じない場合の問題点、さらにはどちらが価格転嫁分を負担するのかという議論を超えた、2024年問題を解決するための効率性向上の手法はないのかについて解説します。
- 「2024」年問題は運送事業者の労働問題でもあり荷主・親請の問題でもある
- 荷主・親請運送事業者に対する法規制
- 燃料物価高・人件費高騰での価格転嫁・買いたたき ~何が規制されているのか~
- 公取委の価格転嫁に関する考え方が示された現在の運送事業者の価格交渉戦略
- ゼロサムの価格転嫁協議からwin-winの解決策である時間短縮・効率性向上へ
- 荷主間の共同物流と独占禁止法、グリーンガイドラインの制定による後押し
- 運送事業者のM&Aと資本業務提携
スピーカーより
運送・物流業界の「2024年問題」を報道で見る機会が次第に増えてきました。官民で荷物を運べない期間があるものの、その解決策についてはいまだに見えてこないところです。また2022年12月に公取委が価格転嫁協議に応じない事業者名を公表し大きな注目を浴びました。独占禁止法・下請法における価格転嫁協議においては、何が独占禁止法・下請法違反になり得るポイントであるかを知ることは、荷主・親請運送事業者にとっても下請運送事業者にとっても重要です。その上で、そもそも「2024年問題」とは不合理な長時間労働の改善をするための法改正から始まっていることから、価格転嫁分を誰が負担するかという二者択一の問題から、荷主が積極的に待機時間の削減や荷主間での共同物流などの効率性向上に関わることで、この価格転嫁問題を前向きに解消できる余地がないのかについて検討を試みます。さらに、荷主間の共同物流に見られるように、単独での効率性向上には限界があります。そこで運送事業者のM&Aや資本業務提携についての最近の傾向を紹介します。
スピーカープロフィール
弁護士 松永 博彬(まつなが・ひろあき)
当事務所所属弁護士(パートナー)。2007年弁護士登録。西村あさひ法律事務所に入所後、2013年1月シティユーワ法律事務所入所。2016年ニューヨーク大学ロースクール修了(LL.M.)。2016~2017年Hunton & Williams LLP。2017年ニューヨーク州弁護士登録、Shearman & Sterling LLP。独占禁止法、景品表示法、運送関連の商取引法および業法、危機管理、海外依頼者向け訴訟案件等を取り扱う。