産業競争力強化法
法律用語集

産業競争力強化法

読み方
さんぎょうきょうそうりょくきょうかほう
業務分野

バブル崩壊後の日本の産業競争力の低下傾向に歯止めがかからない中、1999年、選択と集中により低生産性部門から高生産性部門への経営資源のシフトを図ることを目的として、産業活力再生特別措置法(産活法)が成立した。同法の数度の改正を経て、2009年には、事業者の生産性向上、資源制約に対応した製品の生産、中小企業の再生等を支援し、株式会社産業革新機構を設立することを目的として、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)」が成立した。産業競争力強化法は、これらの後身として、「過剰規制」、「過小投資」、「過当競争」を是正し、我が国の産業競争力を強化するため、2013年に成立したものである。
具体的には、①新たな事業活動の創造につながる規制改革を推進するための措置、②ベンチャー投資や事業再編の円滑化等の産業の新陳代謝を活性化させるための措置、③地域中小企業の創業・事業再生の支援のための措置等がある。
その後、2018年改正において、①長期・大規模の成長投資を中心としたリスクマネー供給を強化するための措置、②事業再編の推進のための措置、③事業者の技術等の情報の適切な管理を促進するための措置等が講じられ、あわせて、①プロジェクト型「規制のサンドボックス」制度の創設、②データの共有・連携のためのIoT投資の減税等、③中小企業の生産性向上のための設備投資の促進を支援する措置等を講じる「生産性向上特別措置法」も施行された。
さらに、2021年改正において、①「グリーン社会」への転換(カーボンニュートラルに向けた投資促進税制等)、②「デジタル化」への対応(DX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制等)、③「新たな日常」に向けた事業再構築(コロナ禍における「繰越欠損金の控除上限」の特例等)、④「新たな日常」に向けた事業環境の整備(ベンチャー企業の成長支援、事業再編の推進等)等の措置が講じられ、あわせて、「生産性向上特別措置法」が廃止され、同法に措置されていた規制のサンドボックス制度が「産業競争力強化法」に、中小企業の生産性向上のための先端設備等の設備投資の促進を支援する措置が「中小企業等経営強化法」に移管された。

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(弁護士 森田豪丈 /2021年10月15日更新)

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