未払賃金立替払制度
法律用語集

未払賃金立替払制度

読み方
みばらいちんぎんたてかえばらいせいど
業務分野

「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づき、企業が倒産したために賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払賃金の一定の範囲について、事業主に代わって政府が立替払する制度であり、独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)が本制度を実施している。
①労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で1年以上事業活動を行っていた事業主から、企業倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者(労働基準法9条の労働者に限る。)、②破産手続開始等の申立日又は労働基準監督署長に対する事実上の倒産の認定申請日の6か月前の日から2年の間に当該企業を退職した労働者、③未払賃金額等について、破産管財人等の証明(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署長の確認(事実上の倒産の場合)を受けた労働者が、法律上の倒産の場合は裁判所の破産手続の開始等の決定日の翌日から起算して2年以内に、事実上の倒産の場合は労働基準監督署長が倒産の認定をした日の翌日から起算して2年以内に、申請ができる。
立替払の対象となるのは、退職日の6か月前の日から機構に対する立替払請求の日の前日までの間に支払期日が到来している未払賃金総額(定期賃金及び退職手当)である。
立替払される金額は、未払賃金総額の80%の額である。ただし、立替払の対象となる未払賃金総額には、退職日の年齢による限度額があり、その限度額を超えるときは、立替払される金額は限度額の80%である。

(弁護士 森田豪丈 /2021年10月4日更新)

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