代替金利指標(フォールバック・レート)
- 読み方
- だいたいきんりしひょう(ふぉーるばっく・れーと)
- 業務分野
LIBOR(ライボー)が金利指標として利用できなくなった場合(※詳細は「LIBORの恒久的停止」の解説を参照)において、LIBORに代わりうる金利指標をいう。日本円LIBORの代替金利指標としては、ローンにおいてはO/N RFR(オーバーナイト・リスク・フリー・レート)複利(後決め)、ターム物リスク・フリー・レートであるTORF(東京ターム物リスク・フリー・レート、トーフ)、及びTIBOR(Tokyo Interbank Offered Rate、タイボー)が代表的な選択肢とされている。また、デリバティブ取引においてはO/N RFR複利(後決め)が標準的とされている。ただ、これら以外の金利指標を代替金利指標として用いることが否定されるわけではない。また、他の通貨にかかるLIBORの代替金利指標についてはそれぞれ別の金利指標が選択されることになる。日本円のO/N RFRは、日本銀行が公表する無担保コールオーバーナイト(O/N)物レート(TONA)とされ、金融機関のリスクプレミアムがほとんど含まれていないこと、期間構造がないこと及び金利の決定タイミングが後決めとなること等、従来のLIBORにはなかった特色がある。TORFは、日本円翌日物金利スワップのレートに基づき算出され、金融機関のリスクプレミアムがほとんど含まれていない点ではLIBORと異なるが、期間構造があり、金利の決定のタイミングが前決めとなる点ではLIBORと同様である。TORFについては、株式会社QUICKベンチマークスが1か月物、3か月物、及び6か月物の確定値を2021年4月26日より公表している。TIBORは、LIBORの公表停止が議論される前より主に日本国内の取引にて用いられている指標で、各レート呈示行から呈示された金利に基づき算出され、金融機関のリスクプレミアムが含まれ、期間構造があること及び金利の決定のタイミングが前決めとなるという点ではLIBORと同様である。TIBORについては、1週間物、1か月物、3か月物、6か月物、及び12か月物が全銀協TIBOR運営機関によって公表されている。
(弁護士 滝澤元 /2021年8月20日更新)
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