中国における生成AIに対する規制
法律用語集

中国における生成AIに対する規制

読み方
ちゅうごくにおけるせいせいえーあいにたいするきせい
業務分野

近年、中国においても生成AIの開発が急速に進んでおり、百度の「文心一言」(アーニー・ボット)などのサービスが既にリリースされている。中国政府は、生成AIを重要産業分野として重視するとともに、その発展を規律あるものとするため、2023年7月10日に「生成式人工知能サービス管理暫行弁法」を公布した(同年8月15日施行)。

同弁法によれば、生成AIサービスの提供及び使用にあたっては、「社会主義核心的価値観を堅持するものとし、国家政権の転覆・社会主義制度の打倒を扇動するもの、国家の安全及び利益に危害を及ぼし、国家のイメージを損なうもの、国家の分裂・国家の統一及び社会の安定の破壊を扇動するもの、テロリズム及び過激主義を喧伝するもの、民族憎悪・民族差別、暴力・わいせつポルノを喧伝するもの、虚偽有害情報等の違法なコンテンツ」を生成してはならないといった内容に対する規制や、他人の知的財産権や、肖像権、名誉、プライバシー、個人情報に係る権利などの人格権を侵害してはならないなどの禁止事項が定められている。

また、生成AIにより作成されたコンテンツや、生成AIを利用したサービスにはその旨の表示を行うことも義務付けられている。

同弁法は、外国から中国国内向けに提供される生成AIサービスについても、中国国内の規定に適合しない場合には、国家ネット情報部門が関係機関に通知して、技術的措置及びその他必要な措置を講じて対処するものとしている。

(弁護士 住田尚之 /2023年10月31日更新)

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