
先輩アソシエイト・若手パートナーの声
保川明(66期 2014年入所)
1. 入所後の執務状況
多くの案件に関与し、成長を実感できました

入所依頼、金融案件を中心に大小様々な案件を手掛けました。当初は右も左も分からない状況でしたが、多くの案件に関与するにつれ、徐々に案件の各関係者の事情を推測できるようになり、また、案件全体の進み具合から、今自分が何をするのがベストであるか、考えることができるようになりました。
このように成長することができたのは、各案件の中で私が作成した契約書等についてフィードバックをしてくれたパートナー・シニアアソシエイトのお陰であると思います。経験豊富な弁護士から自分の良い点・悪い点の指摘を受けることができたため、次の案件に取り組む際に、目標・改善点を設定することができました。また、一つ一つの案件が次の案件に何らかの形でつながり、また、案件を手掛けた経験値が弁護士としての自己を形成するため、良いサイクルを作るためにも、目の前の案件を真摯に処理することが、当たり前ながら大切であると思っています。
年次が上がるにつれて、後輩の弁護士に仕事をお願いする場面も増えました。どのように仕事を割り振れば、チームにとって最適かを常に考えながら、割り振りをするように心がけています。その際には、自分が1年目のときに先輩から仕事を頼まれた際の経験が役立ちました。また、仕事をお願いした後輩から鋭い内容の報告・提案を受けるたびに、多くを学んでいます。
入所以来、多くの法律改正がありました。法律がめまぐるしく変わるスピードに驚かされましたが、所内で開催される勉強会などが、様々な分野の動向を知るのにとても役立ちました。また、図書室で常に最新の法律雑誌を読むことができるので、時間がないときでも見出しだけは目を通すようにしていました。さらに、様々な外部セミナーも活用しています(私の場合、特に、会計規則など法律以外の分野のセミナーに重点的に参加しました。)。
事務所外の活動としては、弁護士会の活動に積極的に参加しています。月一回開催される委員会活動は、事務所外の多くの弁護士と情報交換をする貴重な機会です。また、普段の仕事とは内容の異なる会務は、良い気分転換にもなるので、忙しいときでも極力参加するようにしています。休日は、趣味のハイキングやスキーでリフレッシュをしています。
2. 留学・研修
金融分野を中心にさまざまな案件にチャレンジしました
仕事で海外の担当者と交渉する機会が増えるにつれ、留学して英語力を上げたいという気持ちが強くなりました。また、海外進出案件、複数の国を跨ぐ不祥事調査などで各国の弁護士事務所とやりとりする機会が増えるにつれ、英米法を学び、日本法との差異を踏まえた議論をすることができるようになりたいと強く思うようになりました。さらに、新しいことにチャレンジしたいという気持ちもありました。
そこで、留学・海外研修を志望していることを事務所に相談すると、研修先選びを含め、親身に相談に乗ってもらうことができました。また、留学帰りの先輩弁護士からもTOEFL対策、生活のセットアップ、卒業生のネットワークなど、様々なアドバイス・支援を受けることができました。
留学中は、諸外国から来たクラスメートとのイベントに参加したり、ゼミの発表準備に追われたり、授業の予習でケースブックを毎週何十ページも読んだりと、英語漬けの生活を送ることができました。ロースクールの授業は、課題についてランダムに学生を指名し即座に回答を求められることが多く、頻繁にグループディスカッションもあり、自分の考えを発信する機会が多く刺激的でした。
留学後は、グローバルなローファームで約1年間、Foreign Law Clerkという立場から案件に関与しました。研修中に一番やりがいを感じたのは、リサーチの仕事で案件にずばり当てはまる判例を見つけることができたときでした。英語を母国語とし、ロースクールで3年間英米法を習得したアメリカ人のアソシエイトにスピードでは敵わないものの、役に立つことができた感触がし、留学の成果が感じられて嬉しかったです。留学・海外研修により、自分が対応できる案件の幅が広がったと思います。
なお、私が研修を開始したタイミングは、コロナ禍によりリモート勤務が始まって間もない時期で、研修先の事務所がITを活用した新しい執務形態を模索している時期でした。パンデミックを受けて、オフィスへの出入りの禁止、案件の戦略の見直し、学生の採用への影響の分析、全従業員に対する状況分析の発信、オンライン会議システムの柔軟な採用など、多くの場面で迅速な判断が経営陣により下されており、危機時における迅速な対応の重要性を肌で感じることができました。
3. パートナーへの昇格
より責任のある業務と日々向き合っています
研修から帰国した後、約3年間の執務を経て、2025年1月からパートナーに就任しました。
より責任のある業務を任されることが増え、また、案件における最終決定を自ら行うことが格段に増えました。依頼者の利益を左右するような重大な決断をする際には、論理的な理由付けが重要であることはもちろんですが、さらに、過去の自分の経験で目の前の案件に応用可能な経験があると心強いと感じます。そのような経験が思い当たるたびに、多少辛くてもその案件を手掛けていて良かったと思い、過去に手掛けた案件が今の弁護士としての自分を形成していることを実感します。
また、パートナー就任後は、新人アソシエイトの指導も重要な業務内容となります。自分が若手のころに指導いただいた内容や、それに対して自分は何を思いどう行動していたかを常に思い出しながら、新人アソシエイトに対し、ワークロードに気配りをしつつ、長所を伸ばすアドバイスを心がけています。
4. 入所希望者へのメッセージ
事務所は、アソシエイト一人一人の個性に沿った成長を応援する制度を備えています。ローテーション制度・留学研修制度は、各人の意向や個性を踏まえて柔軟に運用されるので、志望分野や留学について目標が定まっている方にも、これからの方にも、自信をもってお勧めできます。本ページをご覧になっている方に事務所説明会にお越しいただければ、大変嬉しく思います。
(2025年4月掲載)