若手パートナーの声 – 長谷川公亮 –

先輩アソシエイト・若手パートナーの声

長谷川公亮(新63期 2011年入所)

1. 入所後の執務状況

英語案件に関与する機会が比較的多かったです

シティユーワ法律事務所では、SRS制度という新人弁護士の育成制度が存在しており、1年目は様々な業務分野をローテーションしていくのですが、私の場合は、幼少期を海外で過ごしていた時期もあり、同期の中では比較的英語が得意であったことから、英語を使う案件に関与する機会が多かったです。例えば、外資系のクライアントに対して期日報告を英語で行う必要がある案件で、当初はいわゆる英語要員として、大型の国内訴訟のチームに加えていただきました。その後、次第に準備書面等のファースト・ドラフトも担当させてもらえるようになり、長期に亘る訴訟を通じて大変貴重な経験を得ることができました。また、英語がきっかけで、外資系のクライアントの労務案件に関与する機会があり(日本の解雇規制について英文のメモランダムを作成するという案件でした)、その後も継続して英語が絡む労務案件を担当させていただいたことから、今では労務案件が業務の一つの柱となっています。

弁護士間の競争が激しい企業法務の分野においては自己の競争力をいかに高めるかが重要ですが、どのような業務分野を選択したとしても、英語で仕事ができるというのはそれだけで一つの武器になるのではないかと思っています。このページをご覧になっている方は、これから弁護士になるという方が多いと存じますが、たとえ海外経験といった英語のバックグラウンドがなかったとしても、英語案件に対する苦手意識を持たずに積極的に関与することにより、確実に業務に必要な英語力は獲得できると思いますし、業務に必要な英語力を身につけることで弁護士としての可能性を大きく広げることができると思っています。シティユーワ法律事務所では、アソシエイト弁護士の英語力を向上させるために、所属している外国法弁護士によるEnglish Seminarの実施、外部の英会話レッスンの補助、TOEFLの受験料の補助といった様々なサポート制度が用意されております。

2. 留学について

自己の視野を広げるために、留学をすることにしました

私は、シティユーワ法律事務所への入所後約5年半が経過した2016年夏に米国のロースクールに留学をしました。日本での弁護士業務を離れ、米国で法律を学ぶとともに、米国の弁護士のみならず、全世界から米国に留学に来ている弁護士と交流をすることにより、自己の視野を広げたいと思ったのが留学を決意した一つの理由です。また、入所以来、海外のクライアントの仕事をする機会が多かったのですが、その中で、やはり米国で法律を学び、ニューヨーク州弁護士の資格といったリーガルバックグラウンドを有していた方が、海外のクライアントの信頼を得やすいと感じたことも志望理由となりました。

シティユーワ法律事務所では、毎年3~4名程度のアソシエイト弁護士が米国やその他の国に留学しており、事務所内に留学経験者が多いことから、煩雑なロースクールの出願手続やTOEFLの受験対策といった留学に必要な情報について、多くの先輩弁護士から有益なアドバイスを得ることができ、予想以上にスムーズに留学準備を行うことができました。

私が留学したのは、米国のノースカロライナ州にあるデューク大学のロースクールです。デューク大学では、留学生も現地の学生と同じ授業を履修し、同じ基準で成績評価がなされるため、日々の予習や復習はかなり大変で、試験前でなくても、図書館にこもって予習に追われるという状況でした。それでも、デューク大学のあるダーラムという町の周辺には格安なパブリックのゴルフコースが無数にあったのでゴルフを始めてみたり、有名なデューク大学のバスケットボールチーム(Blue Devils)の試合を観戦したりと、学業以外でもとても充実した1年間を過ごすことができました。

留学2年目は、ニューヨークに移り、シティユーワ法律事務所と繋がりのあるWeil, Gotshal & Manges LLPという著名な法律事務所のニューヨークオフィスで研修を行うことができました。私はAntitrust Litigation Groupに所属し、米国司法省から反トラスト法違反の調査が開始された案件に初期の段階から関与することができたり、カルテルに関連したクラスアクションに関与する機会が与えられたりと、大変貴重な経験を得ることができました。また、ニューヨークという街も、ノースカロライナ州とは異なった魅力があり、家族とともに大都会での生活を楽しむことができました。

留学に行くことにより、一定期間は日本での弁護士業務から離れることになります。移り変わりの激しい企業法務の分野において、2年間のブランクが生じることのデメリットが大きいことは事実だと思います。もっとも、留学にはそのデメリットを補って余りあるほどのメリットがあります。米国の最先端の法制度や法執行状況を学ぶことができることはもちろん、ニューヨークのトップローファームの内部から米国の弁護士がどのようなスタンスで仕事をしているかを知ることもできます。ロースクールでは、全世界から留学してきた弁護士と知り合う機会を得ることができます。留学後にフレッシュな気持ちで再スタートを切ることができるということも魅力でした。

グローバル化がますます進む中で、海外の法制度に対する理解や海外の弁護士とのネットワークは今以上に重要になってきます。事件が日本国内だけでは完結せず、海外の問題を解決する必要のある案件が増える現在、国内の案件しかやらないから、わざわざ時間とお金を費やして留学に行く必要はないと考えるのは自分の可能性を狭めることになり、個人的にはとてももったいないことだと思います。今後シティユーワ法律事務所に入所される方々には是非とも留学を志していただきたいと思っています。 なお、留学関連の費用のうち、もっとも負担が大きいのがロースクールの学費ですが、シティユーワ法律事務所には、留学を希望するアソシエイト弁護士が一定の基準を満たした場合に、ロースクールの学費の全額を支給する留学補助制度があります。また、他の大規模事務所では同時期に留学するアソシエイト弁護士の数が多いこともあり、留学2年目の研修先探しに苦戦するという話を良く聞きますが、シティユーワ法律事務所の場合は、毎年の留学人数が3名~4名程度と少数であり、かつ、ニューヨークの複数の著名なローファームや、シンガポールのトップローファームなど、多くの研修受入先とのネットワークがあり、研修先の確保が比較的容易だと感じました。

3. 留学後の業務及びパートナーへの昇格

海外案件に関与する機会が増えました

2年間の留学を終えて、2018年9月に事務所に復帰しました。留学後も、M&Aや一般企業法務、労務案件を中心に業務を行っておりますが、留学前と比べると海外案件に関与する機会が一層多くなりました。

シニアアソシエイトとして、案件の取りまとめを担当したり、海外クライアントとの会議においても積極的に議論をリードする役割を求められるようになりました。

そのような形で約3年程度、シニアアソシエイトとして案件を実質的に中心的に取り回す経験を積んだ後、2022年1月より、パートナーの末席に加わることになりました。それまでお世話になっていたパートナーの案件への関与は継続しながら、自分のクライアントも徐々に増え始め、これまで以上に責任感や使命感、やりがいを感じながら業務に邁進しています。また、シティユーワ法律事務所では、若手のパートナーによる新規分野における業務の開拓及び推進についてサポートする制度が設けられており、セミナーやイベント、書籍や法律記事の執筆などの対外的な活動も増えました。英語でのセミナーやイベントにモデレーターやパネリストとして出席する機会も出てきましたが、パートナー弁護士として、シティユーワ法律事務所を代表しているという気概を持って精一杯取り組んでいます。

さらに、パートナーへの昇格後は、採用業務等の事務所の運営業務に携わる機会も増えました。私の同期を含めて同年代の若手のパートナーも多いのですが、入所から事務所で長年を共にしたメンバーとともに、クライアントからの依頼業務をこなす以外にも、対外的な情報発信や事務所の運営業務への関与などを通じて事務所に貢献するという役割を担うようになりました。

4. 入所希望者へのメッセージ

シティユーワ法律事務所では、さまざまな分野を経験して自分の希望に合った分野に進むことができますし、留学、海外研修、出向等についても、事務所のサポートのもと様々な経験を積むことができます。とりわけ、留学のメリットや魅力はまだまだ語りつくせないほどですので、実際に事務所に足を運んでいただき、ぜひとも直接お伝えする機会があれば幸いです。皆様のご来所を心よりお待ちしています。