有利誤認表示
法律用語集

有利誤認表示

読み方
ゆうりごにんひょうじ
業務分野

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第5条第2号は、事業者が、商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は他の事業者に係るものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示をしてはならないと定めており、この規制を有利誤認表示の禁止という。典型的な事案は価格を不当に安く表示することである。

景品表示法違反は故意・過失を要件としないので、ミスにより表示してしまった場合でも違反となりうる。
消費者庁の近年の行政処分の傾向として、以下で述べる不当な二重価格表示が多く摘発されている。

商品又は役務の価格について、自社又は他社の過去、現在又は将来の価格と比較して安い価格を表示することを二重価格表示という。この二重価格表示の規制には消費者庁の価格表示ガイドライン(不当な価格表示についての景品表示法上の考え方)があり、行政処分を避けるためには、この価格表示ガイドラインを遵守することが重要である。一般消費者へ提示されていない参考価格や希望小売価格との比較、実績のない定価や通常価格と比較するなどして安く見せる場合や、「今だけ」「期間限定」などの表現で将来は価格が上がることを表示しながら、実際には同一価格の販売が継続する場合が典型である。

有利誤認表示・二重価格表示は売上金額の3%の課徴金納付命令の対象となりうる。

(弁護士 松永博彬 /2021年7月16日更新)

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