多重代表訴訟
法律用語集

多重代表訴訟

読み方
たじゅうだいひょうそしょう
業務分野

多重代表訴訟とは親会社の株主が子会社の取締役等の責任を追及する訴えをいう。親会社の株主にとって、その株式価値に大きな影響を持つ子会社の事業活動の管理・監督や調査を行うことができないという事態(かかる事態は「株主権の縮減」といわれている。)に対処するための手段とされ、アメリカ法、フランス法等においては明示的に認められている。我が国の現行会社法においてこれを認める規定はなく、近時、我が国における会社法制の見直しに関し、その創設について議論がなされている。法制審議会会社法制部会が平成23年12月7日付けで取りまとめた「会社法制の見直しに関する中間試案」においては、多重代表訴訟の制度を創設する案と、親会社の株主の保護は子会社の管理・監視に関する親会社の取締役の責任を追及する方法によるべきであるとして同制度を創設しないとする案が併記されている。親子会社に関する規律に大きな変化をもたらす可能性があるため、今後の議論の展開が注目されている。

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